地球環境基金の助成を受けて実施している「パンパグランデ市における農薬容器を含む廃棄物リサイクルプロジェクト」は、3年目の活動期間もすでに半分がすぎました。
いよいよ3年間のプロジェクト終了に向けて、日々精力的な活動が行われています。
まずは、住民への啓発活動。
パンパグランデ市内の自治体での講習会は、住民が集まりやすい夜に行われます。
中には野外でプロジェクタースクリーンを組んで、星空講習会も行なわれます。
ごみが環境に及ぼす影響や、現在実施しているリサイクル活動についてなど、
映像なども交えながらわかりやすく啓発します。
学校の教員を対象とした講習会もあります。
学校での環境教育の方法についてや、学校でどのような環境をテーマにした取り組みができるかなどが話されます。
実際に、パンパグランデ市内の学校では、とても活発に環境教育が行われています。
先日は、高校の生徒が町の清掃を行いました。
道沿いには、ぽい捨てされたごみがたくさん落ちているので、町の清掃はとても大切な活動の一つです。
そして、今月から、小学生がリサイクルセンターを見学するプログラムがはじまりました。
市場や学校から回収された有機ごみが、どこに行きついて、どのように処理されているのか。
実際に目で見て確認することで、リサイクルがより身近なものになったと思います。
日常の業務では、回収トラックの荷台に昇降機がつき、
回収作業での、有機ごみが満タンに入った重いバケツの上げ下げが、随分楽になりました。
トラックは一昨年クラウドファンディングで寄付していただき購入したトラックです。
サンタクルス市でしっかりとした昇降機をつけてもらったので、これから大切に長く使ってほしいと思います。
機材の購入や、トラックのメンテナンスは、いつもサンタクルス市で行います。
トラックに昇降機をつけた同じ時期に、
生ごみの粉砕に使用して調子が悪くなっていた粉砕機のメンテナンスもしてもらいました。
こちらは、モーターの買い替えを予定していましたが、
技術者に見ていただいたところ、モーターには問題がなく、
きちんと使い方を守って使用すればモーターを買い替えなくても使用できるということだったので、
修理をしてもらってパンパグランデまで運びました。
ただ、この粉砕機はもともとトウモロコシなど乾いたものを粉砕するための機械なので、
水分の多い生ごみの粉砕には向いていないのです。
もっと生ごみに合った粉砕機が導入できればいいのですが、
残念ながらボリビア国内ではそのような機械を作る技術がまだなく、出会うことができません。
現在、日本の機械をボリビアに導入する方法を検討しています。
昇降機をつけてもらった会社では、kubotaの機械を日本から輸入しているので、
なんとか方法を考えれば実現できそうな気もするのですが。
(市役所廃棄物課のアレックスと、昇降機をつけてもらった会社の社長、そして瀧本現地代表)
他にも、2回目の物々交換イベントも実施されました。
町の中心広場に設置したブースに、市民が家に保管してあるペットボトルや瓶などの資源ごみを持ってくると、
ここで植物の苗と物々交換することができます。
前回も大変好評で、きっと市民はそれからこの日を楽しみに、家で資源ごみを集めていてくださったのだと思います。
この日もたくさんの資源ごみが集まりました。
そして、使用後の農薬容器の回収キャンペーンも継続して行われています。
これまでに回収した農薬容器が保管場所いっぱいの量になったので、
トラックに積んでサンタクルス市の買い取ってくれる業者まで運びました。
ですが、トラックに積むときに、農薬容器に混じって大量のプラスチックごみが混入していることがわかり、
販売できないものは全てよけていくと、後には大量のごみが残りました。
これらの残ったごみも、後日きれいに片づけられました。
残ったごみの内容は、まだ啓発活動が行き届いていないプロジェクト初期に、住民が混入したプラスチックごみや、
回収しても購入されない農薬容器などです。
農薬容器回収スポットを設置している場所の多くは、パンパグランデ市の農村部。
ごみの回収がされていない場所も多いので、農薬容器と一緒に他のごみまで回収スポットに入れてしまっていたのです。
回収スポットにごみを入れる、という習慣ができたこと自体は、決して悪いことではないのですが、
農薬容器回収スポットには他のごみは混ざらないほうが、仕事がしやすいのは事実なので、
スタッフが改善策を考え、農薬空容器は赤のごみ袋に、資源ごみは黄色のごみ袋に入れてもらうように啓発活動を行なったところ、
最近の回収キャンペーンではほとんどごみが混入することはなくなりました。
地道な一歩一歩が、確実に未来を作っています。
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